SENCE OF WONDER

Photographer / Daiki Tateyama
Model / NIASU
Model / Mina Miyamoto

シダが生い茂った日陰の窪地、
背丈の十数倍はあろうかと
天高に真っ直ぐのびる竹林、
そこここには
青々とする苔に覆われた岩が
顔をのぞかせる。

自然は塞ぎ込んでいるように見える日でも
とっておきの贈り物を用意してくれている。
とりわけ雨上がりは、
ふかふかとした苔の絨毯
地衣類は銀色の輪を広げ
針葉樹は鮮やかな緑を取り戻す。
この世界はいつも生き生きとして
鮮明で美しく、
驚きと感動に満ちている。

あらゆる生命が
いつも無条に豊さを巡らせ続ける地球。
いつしか私たちは、
その囁きに耳を澄ませることがなくなり
地球には不調和の波が虚しく広がった。
そして自然とゆう源泉からも遠ざかり
澄み切った洞察力や直感力を鈍らせていく。
私たちが見失ってきた
「自然の声」「地球の声」を聞く感受性を取り戻し
それらと呼び合う。
自然を探求することは
感覚の回路を開くこと。

美しいものを美しいと感じる感覚
新しいものや未知のものにふれた時の感激は、
心の中でゆっくりと育まれ
必要な時に開花し
そっとこの世界の秘密を解き始める。

人は自然に
畏敬の念をもって接するとき、
自分の内面に
もう一つの自然があることを知る。
そしてついに、
この世の自然を包む大いなるものを
はっきり感じるようになる。
自然と無音の対話をする、
それはもう一つの
自己発見の旅の始まり。